DJI製のドローンやカメラを手にしたものの、DJI Care Refreshに加入すべきか迷っていませんか?高価な機材だからこそ、万が一の故障や事故に備えたいと考えるのは自然なことです。この記事では、DJI Care Refreshに入るべきかという疑問に答えるため、その保証内容とは何か、保証の対象製品一覧、そして修理費用と自己負担額の違いを具体的に解説します。
さらに、保証期間と延長オプションについて、またメーカーの通常保証との違いを比較し、DJI Care Refreshを使った修理の流れも明らかにします。加入のメリット・デメリットも踏まえ、どんな人におすすめで、加入すべきケースとは何かを提示します。加入方法と注意点や、他社保険サービスとの比較も交えながら、あなたが後悔のない最適な判断を下せるよう、全ての情報を網羅的にお届けします。
私の体験談を書くと、これまで購入したDJI製品では、ドローン(Mavic Air 2やMavic 3 Pro)や、Osmo Pocket3についてはDJI Care Refreshに加入していました。購入時に掛かる追加出費は仕方が無い、と納得し加入したものの、幸い落下などで破損させる事無く使用してきました。安心感はやはり大きかったです。心理的な安心感を買う意味で大いに意味があったと思っています。
- サービスの全体像と具体的な保証内容
- プラン料金やインシデント発生時の交換費用
- 加入から交換までの具体的な手順と注意点
- 自身の利用スタイルに合わせた加入の要否
DJI Care Refreshは入るべきか?まず基本を解説
- DJI Care Refreshの保証内容とは?
- 保証の対象製品一覧と加入条件
- 修理費用と自己負担額の違いを解説
- 保証期間と延長オプションについて
- メーカーの通常保証との違いを比較
DJI Care Refreshの保証内容とは?

DJI Care Refreshは、DJI製品ユーザーに安心を提供する公式アフターサービスです。これを理解する上で最も大切なのは、伝統的な「保険」とは異なり、製品の「交換サービス」であるという点です。
なぜなら、このサービスの目的は、修理にかかる時間や費用見積りのプロセスを省略し、迅速に製品を飛行・撮影可能な状態に戻すことにあるからです。例えば、操縦ミスによる衝突や墜落、予期せぬ水没といった一般的な事故が発生した際、所定の交換費用を支払うことで、新品もしくは同等の性能が保証されたリフレッシュ品と交換してもらえます。
このサービスは非常に広範なシナリオをカバーしており、ドローン製品であれば衝突や水没の他に、機体の回収が不可能な「飛行紛失(フライアウェイ)」や、長期間の使用による「経年劣化」まで対象となる点が大きな特徴です。ハンドヘルド製品でも、画面割れや水没、変形などが保証されます。
以上の点を踏まえると、DJI Care Refreshは単なる事故後の対応プランではなく、ダウンタイムを最小限に抑え、製品のライフサイクルを通じてユーザーをサポートする、積極的な製品管理ツールと言えます。
保証の対象製品一覧と加入条件
DJI Care Refreshは、DJIが販売するほとんどのドローン製品およびハンドヘルド製品で利用できますが、加入には厳格な条件が設けられています。
このサービスを利用するためには、原則として製品が新規購入であり、かつアクティベーション(初期設定)を行ってから特定の期間内に加入手続きを完了させる必要があります。この期間を過ぎてしまうと、基本的に加入資格を失うため注意が大切です。
具体的な加入条件は製品カテゴリによって異なります。
製品カテゴリ | 加入可能な期間 |
ドローン製品 | アクティベーション後96時間以内 |
ハンドヘルド製品 | アクティベーション後30日以内 |
このように、特にドローン製品は期間が非常に短く設定されています。そのため、製品の購入と同時にプランへ加入するか、購入後すぐに手続きを行うことが推奨されます。主な対象製品には人気のカメラドローンやFPVドローン、そしてOsmoシリーズやRoninシリーズなどのハンドヘルドジンバルが含まれます。
もし期間を過ぎてしまった場合でも、DJIによる有償修理完了後に送られてくる案内メールから72時間以内であれば、例外的に加入できるケースもあります。
修理費用と自己負担額の違いを解説
DJI Care Refreshを利用する際のコスト構造は、「プラン加入料金(初期投資)」と「交換費用(インシデント毎の自己負担額)」の2つで構成されています。
プラン料金は、製品のモデルと保証期間(1年版か2年版か)によって異なります。そして、実際に事故が発生してサービスを利用する際には、都度定められた交換費用を支払う仕組みです。この交換費用は、通常の修理費用に比べて大幅に安価に設定されています。
例えば、主要なドローン製品の料金体系は以下の通りです。
モデル名 | 2年版プラン料金 | リフレッシュ交換費用 | 飛行紛失交換費用 |
DJI Mini 4 Pro | ¥19,250 | ¥8,580 | ¥34,100 |
DJI Air 3s | ¥26,400 | ¥13,200 | ¥59,400 |
DJI Mavic 4 Pro | ¥49,500 | ¥19,800 | ¥110,000 |
DJI Avata 2 | ¥15,070 | ¥7,920 | ¥28,600 |
この表から、例えばDJI Mini 4 Proのユーザーが2年版プランに加入し一度墜落させた場合、総コストはプラン料金と交換費用を合わせて¥27,830となることがわかります。未加入時の高額な修理代を考慮すると、この金額で機体をリフレッシュできるのは大きな利点です。
要するに、DJI Care Refreshは予測不能な修理費用を、管理可能で手頃な運用コストへと変換する仕組みを提供していると言えます。
保証期間と延長オプションについて

DJI Care Refreshには、ユーザーの運用計画に合わせて選択できる2つの主要なプランが用意されており、さらに保証期間を延長するオプションも存在します。
1年版プランと2年版プラン
まず、基本的な選択肢として以下の2つがあります。
- 1年版プラン: 有効期間は1年間。期間中に合計2回までのリフレッシュ交換が可能です。このうち、飛行紛失による交換は最大1回までとなります。
- 2年版プラン: 有効期間は2年間。期間中に合計4回までのリフレッシュ交換が可能です。このうち、飛行紛失による交換は最大2回まで利用できます。
2023年7月のサービス改訂により、交換回数が増加し、何回目の交換であっても費用が常に同額のフラットレートに変更されたため、ユーザーにとって非常に利用しやすくなりました。
保証期間の延長
現在のサービス有効期限が満了する15日前から満了後15日までの間に、1年版プランを追加購入することで、サービス期間を1年間延長できます。これを活用すれば、最大で合計3年間の保証を確保することが可能です。ただし、延長時に2年版プランを選択することはできないため、その点には注意が必要です。
これらのプラン構成により、短期的な利用を想定するユーザーから、長期間にわたって安心して製品を使い続けたいプロフェッショナルまで、幅広いニーズに対応できる柔軟な保証体系が構築されています。
メーカーの通常保証との違いを比較

DJI Care Refreshと、製品に元々付帯しているメーカーの通常保証は、その目的と保証範囲が根本的に異なります。この違いを理解することが、適切な保護戦略を立てる上で鍵となります。
両者の最も大きな違いは、「誰の責任による不具合か」という点です。
項目 | メーカーの通常保証 | DJI Care Refresh |
主な目的 | 製造上の欠陥に対する保護 | ユーザーの過失による事故からの保護 |
保証範囲 | 初期不良、自然故障など | 操縦ミスによる衝突、水没、経年劣化、飛行紛失 |
費用 | 無償(送料などは規定による) | プラン料金+インシデント毎の交換費用 |
対象 | 製品本体の欠陥 | 製品本体の偶発的な損傷・紛失 |
言ってしまえば、通常保証は「製品側の問題」をカバーするものであり、DJI Care Refreshは「ユーザー側の問題(事故)」をカバーするものです。例えば、箱から出してすぐに電源が入らない場合は通常保証の対象ですが、飛行中に操作を誤って木に衝突させた場合はDJI Care Refreshの対象となります。
また、DJI Care Refreshには付帯する特典として、通常保証の期間を延長する効果もあります。2年版プランに加入すると、主要パーツに対するメーカー保証が自動的に2年間に延長されます。さらに、サービス期間内に一度も交換を利用しなかった場合、「安全使用特典」としてメーカー保証がさらに1年間延長されます。
このように考えると、両者は対立するものではなく、互いに補完し合う関係にあることがわかります。
DJI Care Refreshは入るべきか?判断基準を解説
- DJI Care Refreshの加入方法と注意点
- DJI Care Refreshを使った修理の流れ
- 加入のメリット・デメリットを整理
- 他社保険サービスとの比較ポイント
- こんな人におすすめ!加入すべきケース
- 結論:DJI Care Refreshは入るべきか
DJI Care Refreshの加入方法と注意点

DJI Care Refreshへの加入はいくつかの方法で行えますが、前述の通り、加入資格には厳しい時間的制約があるため、手続きは迅速に行う必要があります。
主な加入方法は以下の3つです。
- 製品との同時購入:
DJI公式ストアでドローンやカメラを購入する際に、オプションとしてCare Refreshを同時にカートに入れて決済します。この場合、製品のシリアルナンバーとサービスが自動で紐付けられるため、最も簡単で確実な方法です。 - 単体でのオンライン購入:
製品を別途購入した後、DJI公式ストアでCare Refreshを単体で購入します。この際は、自分で製品のシリアルナンバーを入力して紐付け作業を行う必要があります。 - アクティベーションカードの購入:
正規販売代理店などで販売されているアクティベーションカードを購入し、DJIのウェブサイトでカードに記載されたコードと製品のシリアルナンバーを登録して紐付けます。
加入時の注意点
加入を検討する際には、いくつかの重要な注意点を理解しておくことが大切です。
まず、最も重要なのはアクティベーション後の時間制限です。ドローンは96時間、ハンドヘルド製品は30日という期間を厳守しなくてはなりません。
次に、地域に関する制約があります。Care Refreshは、製品を購入した国・地域と同一の場所で購入する必要があります。例えば、海外のオンラインストアで購入したドローンに、日本国内で購入したCare Refreshを適用することは原則としてできません。
最後に、このサービスは製品のシリアルナンバーに紐付けられており、第三者に譲渡することは不可能です。中古で製品を売却する際に、Care Refreshの権利も一緒に譲ることはできない点を覚えておきましょう。
DJI Care Refreshを使った修理の流れ

万が一事故が発生してしまった場合、DJI Care Refreshを利用した交換プロセスは、ユーザーの状況に合わせて複数の選択肢が用意されており、非常に効率的です。
DJI Care Express(最速交換)
ダウンタイムを最小限に抑えたいユーザーに最も推奨される方法です。このプロセスでは、オンラインで申請する際にクレジットカードで交換費用を前払いします。これにより、DJI側での損傷査定や見積もりのステップが完全に省略されます。ユーザーが破損した機体を発送し、DJIがそれを受け取り次第、直ちにリフレッシュ品が発送されるため、非常にスピーディーな交換が実現します。
オンライン修理受付(標準プロセス)
時間に少し余裕がある場合や、修理費用と比較してから判断したい場合に適した方法です。まずオンラインで修理依頼を提出し、機体をDJIへ送付します。DJIが機体を受け取った後、Care Refreshを利用しない場合の修理見積もりと、利用した場合の交換費用の両方が提示されます。ユーザーは提示された金額を見てから、どちらのオプションを選択するかを最終的に決定できます。
飛行紛失(フライアウェイ)の申請手順
このケースは他のプロセスとは異なり、固有の手順が必要です。最も重要な前提条件は、事故発生前に、機体が自分のDJIアカウントと使用していた送信機に紐付けられていることです。この紐付けがなければサービスは利用できません。
手順としては、オンラインで飛行紛失を申請し、DJI Flyアプリから飛行記録を同期します。その後、アプリ内で「飛行紛失認定」を行い、紛失した機体を遠隔で飛行不能にした上で、所定の飛行紛失交換費用を支払うと、新しい機体が送られてきます。
加入のメリット・デメリットを整理
DJI Care Refreshへの加入を最終的に判断するためには、その利点と欠点を客観的に比較検討することが不可欠です。
メリット
まず、最大のメリットは精神的な安心感と経済的なリスクの軽減です。高価な機材の故障を心配することなく、フライトや撮影に集中できます。特に初心者にとっては、操縦技術を向上させるための「学習コスト」として非常に価値があります。
次に、迅速な交換によるダウンタイムの最小化が挙げられます。特に業務で利用するユーザーにとって、機材が使えない時間は機会損失に直結するため、スピーディーに代替機を入手できるDJI Care Expressは大きな強みです。
さらに、「経年劣化」も保証対象であるため、サービス期間の終了間際に機体をリフレッシュするという戦略的な活用も可能です。これにより、製品の再販価値を高めたり、自身の使用体験を向上させたりすることができます。
デメリット
一方で、デメリットも存在します。当然ながら、プラン料金という初期投資が必要です。全く事故を起こさなかった場合、この費用は「掛け捨て」になるという見方もできます。(ただし、その場合でも未使用特典としてメーカー保証が延長されます。)
また、飛行紛失を除き、破損した製品本体を物理的に回収し、DJIに返送する義務がある点は注意が必要です。木の枝に引っかかったり、湖の底に沈んだりして回収不能な場合は、通常の交換サービスは利用できず、より高額な飛行紛失サービスを利用することになります。
そして、保証対象は基本的にドローン本体やジンバル・カメラであり、送信機(プロポ)やバッテリーなどのアクセサリー類は対象外となるのが一般的です。
他社保険サービスとの比較ポイント

DJI Care Refreshを検討する際、保険会社が提供する第三者のドローン保険としばしば比較されますが、両者は保護する対象が根本的に異なり、相互に補完し合う関係にあります。
その役割の違いを理解することが、包括的なリスク管理の第一歩です。
項目 | DJI Care Refresh | 一般的な第三者ドローン保険 |
保護の対象 | 自分自身の機材 | 他人の身体や財産 |
主な目的 | 機材の物理的な損傷・紛失からの迅速な復旧 | 第三者への損害賠償責任からの保護 |
補償内容 | 衝突、水没、飛行紛失による機体本体 | 対人・対物事故による法律上の賠償金 |
性質 | 交換サービス(動産保険に近い) | 賠償責任保険 |
要するに、DJI Care Refreshは「自分のドローンが壊れた時」のためのサービスであり、第三者ドローン保険は「自分のドローンが他人に損害を与えた時」のための保険です。例えば、ドローンが墜落して駐車中の車に傷をつけた場合、車の修理費用を補償するのは第三者ドローン保険の役割であり、Care Refreshではカバーされません。
このため、特に業務でドローンを運用するプロフェッショナルや、人口集中地区で飛行させる可能性があるユーザーにとっては、両方に加入することが最も賢明なリスク対策となります。「Care Refreshで自分の資産を守り、賠償責任保険で法的リスクに備える」という二段構えが理想的なのです。
こんな人におすすめ!加入すべきケース
これまでの情報を踏まえ、どのようなユーザーがDJI Care Refreshに加入すべきか、具体的なケース別に推奨度を提示します。
初心者・ホビーユーザー【絶対オススメ!】
推奨度は「強く推奨」です。操縦経験が浅い初心者は、最も事故リスクが高いグループと言えます。高額な修理費用を恐れることなく、積極的に飛行練習に励むことで、安全な操縦スキルを効率的に習得できます。サービスが提供する心理的な安心感は、上達への大きな助けとなります。
コンテンツクリエイター
推奨度は「必須」と考えられます。このユーザー層にとって、ドローンは作品を生み出すための重要なツールです。機材のダウンタイムは制作機会の損失に直結するため、迅速な交換サービスは決定的な価値を持ちます。また、経年劣化した機体をリフレッシュして常に最高のコンディションを維持したり、再販価値を最大化したりする戦略的な活用も極めて有効です。
業務用オペレーター
推奨度は「義務的」と言えるでしょう。プロにとってドローンは事業資産であり、予測不能な修理コストは経営リスクとなります。Care Refreshは、そのリスクに上限を設け、事業の継続性を確保するための標準的な運用コストとして予算に組み込むべきです。ただし、前述の通り、必ず十分な補償額を持つ第三者賠償責任保険とセットで契約することが絶対条件です。
結論:DJI Care Refreshは入るべきか
DJI Care Refreshに加入すべきか、その最終的な判断はユーザーの利用スタイルやリスク許容度によって異なります。この記事で解説した全ての情報を基に、ご自身の状況に最適な選択をしてください。
- DJI Care Refreshは保険ではなく迅速な「交換サービス」
- 操縦ミスによる墜落や水没、経年劣化まで幅広く保証
- 一部モデルでは回収不能な「飛行紛失」もカバー
- プランは1年版と2年版から選択可能、最大3年まで延長できる
- 交換費用は回数によらず常に均一のフラットレートで安心
- プラン料金とインシデント毎の交換費用が発生する
- 未使用の場合は特典としてメーカー保証期間が1年間延長される
- 通常保証は「製品の欠陥」、Care Refreshは「ユーザーの事故」をカバー
- 加入にはアクティベーション後の厳しい時間制限(ドローンは96時間)がある
- 購入した国・地域と同一のサービスにしか加入できない
- DJI Care Expressを利用すれば最短での交換が可能
- 飛行紛失の保証には事前の「機体とアカウントの紐付け」が必須
- 最大のメリットは経済的・精神的な安心感
- デメリットは初期費用と、送信機などが対象外である点
- 第三者への損害を補償する「賠償責任保険」とは役割が全く異なる
- 初心者からプロまで、ほとんどのドローンユーザーにとって加入価値は高い