Nikon ZfとZ5iiの比較!違いと選び方を解説

ニコンのフルサイズミラーレスカメラ、ZfとZ5iiの購入で迷っていませんか。このNikon ZfとZ5iiの比較記事では、カメラ選びで失敗や後悔をしないために、両モデルの重要な違いを徹底的に掘り下げていきます。デザインと操作性の違いから、オートフォーカス性能の比較、そして高感度ISOの画質差に至るまで、あらゆる角度から性能を検証します。

また、動画撮影機能の違いや連写性能と処理速度、さらにはボディ内手ブレ補正の比較も詳しく解説。ファインダーと液晶の特徴やバッテリー持ちの差、レンズとの相性と選び方、最終的な価格とコストパフォーマンスまで、あなたが最適な一台を見つけるための全ての情報を提供します。この記事を読めば、どちらのカメラがあなたの撮影スタイルに合っているかが明確になるはずです。

この記事で分かること
  • 両機のデザインと性能の根本的な違い
  • 静止画と動画におけるそれぞれの強みと弱み
  • 最適なレンズ選びとコストパフォーマンス
  • あなたに本当にマッチするモデルの選び方
目次

デザイン視点のNikon ZfとZ5iiの比較

  • デザインと操作性の違いを解説
  • ファインダーと液晶の特徴とは
  • ボディ内手ブレ補正の比較ポイント
  • バッテリー持ちの差はどのくらいか
  • レンズとの相性と選び方のコツ

デザインと操作性の違いを解説

Amazon

Nikon ZfとZ5iiの最も大きな違いは、その設計思想にあります。Zfは撮影体験そのものを重視するスタイル優先のカメラであり、Z5iiは効率と快適性を追求した実用性優先のカメラです。

Zfは、往年のフィルムカメラFM2を彷彿とさせるクラシックなデザインが最大の魅力です。ボディトップに配置された真鍮製のダイヤルは、カチカチという心地よい操作感を提供し、一枚一枚を丁寧に撮影するプロセスを楽しませてくれます。長年使い込むことで真鍮が露出し、味わい深い経年変化が生まれるのも、このカメラならではの所有する喜びでしょう。しかし、その美しいデザインにはトレードオフも存在します。グリップがほとんどないフラットな形状のため、特に大型のレンズを装着した際のホールド性は高いとは言えません。長時間の撮影では手が疲れやすく、多くのユーザーが追加のアクセサリーグリップを別途購入しているのが実情です。

一方、Z5iiは現代のデジタルカメラとして最適化された、人間工学に基づくデザインを採用しています。深く握りやすいグリップは、小型の単焦点レンズから重い望遠ズームレンズまで、あらゆるレンズで抜群の安定感をもたらします。主要な操作ボタンやダイヤルは右手に集中配置されており、ファインダーを覗いたまま素早く設定を変更できます。このため、一瞬のシャッターチャンスを逃したくないスポーツやイベント撮影において、Z5iiは極めて高い実用性を発揮します。言ってしまえば、Zfが「撮る行為」の楽しさを追求するカメラであるのに対し、Z5iiは「撮る結果」を最大限に引き出すためのツールとしての完成度が高いモデルです。

Nikon Z f LK40(SE) ミラーレス一眼 Zf 40㎜単焦点レンズキット フルサイズ ニコン ブラック

新品価格
¥292,000から
(2025/9/23 17:37時点)

ファインダーと液晶の特徴とは

Z5Ⅱ:Nikon

ZfとZ5iiは、スペック上は非常によく似たファインダー(EVF)と液晶モニターを搭載していますが、ファインダーの視認性には決定的な違いが存在します。

まず液晶モニターについては、両機ともに約210万ドットの3.2型バリアングル式モニターを採用しています。これはハイアングルやローアングル、あるいは自撮りなど、自由な角度での撮影を快適にするもので、静止画・動画を問わず非常に便利な仕様です。

違いが顕著に現れるのは電子ビューファインダーです。どちらも約369万ドットの有機ELパネルを使用しており、解像度や倍率は同等レベルです。しかし、Z5iiのファインダーは、フラッグシップ機であるZ8やZ9から受け継いだ技術により、最大3,000cd/m²という驚異的な明るさを実現しています。これはZfを含む多くの競合製品のファインダーよりも著しく明るい数値です。この差は、特に日差しの強い屋外での撮影において、被写体の視認性に大きなアドバンテージをもたらします。露出の確認がしやすく、撮影への集中力を維持できるため、屋外での撮影機会が多いユーザーにとっては見逃せないポイントとなるでしょう。

Nikon Z f LK40(SE) ミラーレス一眼 Zf 40㎜単焦点レンズキット フルサイズ ニコン ブラック

新品価格
¥292,000から
(2025/9/23 17:37時点)

ボディ内手ブレ補正の比較ポイント

Zf:Nikon

ボディ内手ブレ補正の性能については、ZfとZ5iiの間に体感できるほどの大きな差はありません。どちらも非常に高性能な5軸手ブレ補正機構を搭載しており、手持ち撮影を強力にサポートしてくれます。

スペック上の数値を見ると、Zfが最大8.0段分、Z5iiが最大7.5段分と、Zfがわずかに上回っています。ただ、この0.5段分の差が実際の撮影結果に大きく影響する場面は限定的でしょう。どちらのカメラも、シャッタースピードを大幅に下げた夜景撮影や、望遠レンズを使った手持ち撮影で、驚くほどの安定性を発揮します。

さらに、両機ともに「フォーカスポイントVR」という先進的な機能を備えています。これは、従来の中央基準の手ブレ補正とは異なり、選択したオートフォーカスポイントを基準に補正を行う機能です。これにより、画面の端に被写体を配置するような構図でも、より効果的にブレを抑制することが可能になります。したがって、手ブレ補正性能を理由にどちらかを選ぶ必要はなく、どちらのモデルを選んでも業界最高クラスの補正効果を得られると考えて差し支えありません。

SmallRig カメラ用カメラグリップ ニコン対応 Z f専用ハンドル L型グリップ シリコン ハンドルが付属 Arca 用統合クイック リリース プレート 超薄型設計 4262

新品価格
¥6,021から
(2025/9/23 17:38時点)

バッテリー持ちの差はどのくらいか

ZfとZ5iiのバッテリー持続時間については、基本的な消費電力に大きな差はないと考えられますが、使い方によってはZ5iiの方が若干短くなる可能性があります。

両機は、同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」とイメージセンサーを搭載していることから、おそらく共通の「EN-EL15c」バッテリーを採用すると推測されます。そのため、CIPA(カメラ映像機器工業会)が定める基準に基づいた撮影可能枚数には、大きな違いは出にくいでしょう。

ただ、注意点として挙げられるのがファインダーの消費電力です。前述の通り、Z5iiは非常に明るいファインダーを搭載しています。このファインダーの輝度を最大に設定して多用する場合、Zfに比べてバッテリーの消費が早まる可能性があります。もちろん、これは輝度設定やライブビューの使用頻度など、ユーザーの撮影スタイルに大きく左右される部分です。いずれのモデルを選択するにしても、一日中撮影を行う場合や動画撮影を長時間行う際には、予備のバッテリーを1〜2個用意しておくと安心です。

Nikon ミラーレス一眼 Z5II ボディ Zマウント フルサイズ

新品価格
¥234,600から
(2025/9/23 17:39時点)

レンズとの相性と選び方のコツ

Amazon

カメラボディの形状が異なるため、ZfとZ5iiでは相性の良いレンズの傾向も変わってきます。レンズ選びは、それぞれのカメラの長所を最大限に引き出すための重要な要素です。

Zfは、そのクラシックでコンパクトなデザインを活かすために、小型・軽量な単焦点レンズとの組み合わせが最も魅力的です。例えば、「NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)」のようなスペシャルエディションレンズと組み合わせることで、見た目の統一感が生まれ、街中でのスナップ撮影などを軽快に楽しむことができます。一方で、グリップがないデザインのため、「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」のような大きく重い望遠ズームレンズを装着すると、フロントヘビーになりバランスが悪化します。このようなレンズをZfで快適に使用するには、サードパーティ製の追加グリップの装着を検討する必要があるでしょう。

スナガジェ

個人的にはZfに「NIKKOR Z 26mm f/2.8」を組み合わせたのも使い勝手が良くて好きです。画角はスマホに良く似た感じです。

対照的に、Z5iiは深くしっかりとしたグリップを備えているため、あらゆるZマウントレンズと良好な相性を示します。広角の単焦点レンズから超望遠ズームレンズまで、どんなレンズを装着しても安定したホールディングが可能です。特に、スポーツや野生動物、イベント撮影などで大型レンズを多用するユーザーにとっては、この安定感は譲れない大きなメリットとなります。Z5iiは、レンズのサイズや重さを気にすることなく、撮影に集中できる実用的なボディと言えます。

Nikon 単焦点レンズ NIKKOR Z 26mm f/2.8 Zマウント フルサイズ対応 ブラック

新品価格
¥63,990から
(2025/9/23 19:54時点)

性能視点のNikon ZfとZ5iiの比較

  • オートフォーカス性能の比較と検証
  • 連写性能と処理速度の優位性
  • 高感度ISOの画質差をチェック
  • 動画撮影機能の違いを徹底解説
  • 価格とコストパフォーマンスを評価
  • 用途で選ぶNikon Zf Z5ii 比較

オートフォーカス性能の比較と検証

Amazon

オートフォーカス(AF)性能に関して、ZfとZ5iiの間に性能差は全くありません。両機は完全に同一の、極めて先進的なAFシステムを共有しています。

その心臓部となっているのが、フラッグシップモデルのZ9やZ8にも搭載されている画像処理エンジン「EXPEED 7」です。この強力なエンジンとディープラーニング技術の組み合わせにより、人物、犬、猫、鳥、車、バイク、飛行機など9種類の被写体をカメラが自動で認識し、正確にピントを合わせ続けることが可能です。また、ニコンのデジタル一眼レフで高い評価を得ていた「3D-トラッキング」機能も搭載しており、一度捉えた被写体を粘り強く追従します。

さらに、-10EVという月明かり程度の極めて暗い環境下でもAFが作動するため、光量の少ないシーンでも安心して撮影に臨めます。ただし、一つだけ留意点があります。両機が搭載するセンサーは、Z9などに採用されている「積層型」ではないため、センサーからのデータ読み出し速度には限界があります。このため、非常に高速で不規則な動きをする被写体(例:レースカーや飛翔する猛禽類)を追いかける際の追従性能は、最上位モデルには一歩譲ります。とは言え、一般的なポートレートやスナップ、運動会レベルのスポーツ撮影など、ほとんどのシーンでは十分すぎるほどの高性能を発揮します。

連写性能と処理速度の優位性

連写性能とレスポンスにおいても、ZfとZ5iiは同等のスペックを誇ります。どちらのモデルも、決定的な瞬間を逃さないための高い能力を備えています。

メカニカルシャッター使用時、JPEG形式では最高で約14コマ/秒、画質の高い14bit RAW形式でも最高約11コマ/秒の高速連写が可能です。これは動きの速い被写体を連続して撮影する際に非常に有効です。さらに、両機は「プリキャプチャー」機能を備えた、JPEG限定の秒間30コマの超高速連写モードも搭載しています。この機能は、シャッターボタンを全押しする直前の瞬間までさかのぼって記録できるため、野鳥が飛び立つ瞬間など、予測が難しい場面で威力を発揮します。

また、連続撮影時に重要となるバッファー性能も非常に高く設計されています。高速なUHS-II規格のSDカードを使用すれば、画質劣化のないロスレス圧縮RAWで撮影しても160枚以上の連続撮影が可能であり、ほとんどの撮影シーンでバッファーフルを意識することなく、撮影に集中できるでしょう。

高感度ISOの画質差をチェック

高感度ISOの画質差をチェック
Nikon

静止画の画質、特に光の少ない場所での撮影品質を左右する高感度ISO性能において、ZfとZ5iiの間に画質差は存在しません。これは、両機がイメージングの核となる部分を完全に共有しているためです。

具体的には、どちらのカメラも有効画素数2450万画素の裏面照射型(BSI)CMOSセンサーと、最新の画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載しています。このセンサーは、入射光を効率的に取り込める構造により、高感度撮影時でもノイズが少なく、広いダイナミックレンジを確保できることで定評があります。常用ISO感度は100から64000まで設定可能で、拡張設定ではISO 204800という驚異的な高感度にも対応します。

このため、夜景や室内、薄暗い森の中など、光量が不足しがちなシーンでも、三脚を使わずに手持ちでクリアな写真を撮影することが可能です。ニコンらしい自然で豊かな色再現性も健在で、どちらのカメラを選んでも、卓越した高画質を得ることができます。画質を理由にどちらかを選ぶ必要はなく、純粋に他の要素で判断して問題ありません。

動画撮影機能の違いを徹底解説

動画撮影機能の違いを徹底解説
Z5Ⅱ:Nikon

これまで多くの点で同等性能であったZfとZ5iiですが、動画撮影機能においては明確な差があり、本格的な映像制作を視野に入れるならZ5iiが圧倒的に優位となります。

まず基本的な動画性能として、両機ともにセンサー全域の6K画素からオーバーサンプリングした、高精細な4K UHD/30p動画を撮影できます。また、APS-Cサイズにクロップすることで4K UHD/60pのスローモーション撮影も可能です。さらに、カラーグレーディングの自由度を高める10bitのN-Log記録にも対応しており、ハイレベルな映像制作の土台となる性能は共通して備えています。

決定的な違いは、Z5iiが12bitの「N-RAW」動画をカメラ本体のSDカードに内部記録できる点です。これは、圧縮された映像フォーマットとは比較にならないほど豊富な色情報と輝度情報を保持した「生の」データです。N-RAWで撮影することにより、ポストプロダクション(編集作業)において、ホワイトバランスや露出を画質劣化なく大胆に変更したり、白飛びや黒潰れした部分から階調を復元したりと、圧倒的な編集耐性を得られます。従来、RAW動画の撮影には高価な外部レコーダーが必要でしたが、Z5iiはこのプロフェッショナルな機能を、手頃なSDカードへの内部記録で実現しました。この一点だけでも、動画クリエイターにとってZ5iiを選ぶ強力な理由になります。

【国内正規品】PeakDesign ピークデザイン リーシュ カメラストラップ ブラック L-BL-3

新品価格
¥7,850から
(2025/9/23 20:47時点)

価格とコストパフォーマンスを評価

価格とコストパフォーマンスの観点から見ると、Z5iiがより賢明な選択と言えます。Zfはそのユニークな価値と引き換えに、価格が少し高めに設定されています。

発売時の価格を参考にすると、ZfはZ5iiに対して日本では約4万円ほどの価格プレミアムが設定されています。この価格差は、Zfが持つ特別な価値、つまり真鍮製のダイヤルといった高品質な素材の採用、クラシックカメラを所有し操作する喜びといった、情緒的な満足度に対する対価と考えることができます。

一方でZ5iiは、フルサイズミラーレス市場全体を見渡しても、極めてコストパフォーマンスに優れたモデルです。Zfと全く同等の静止画画質とAF性能を持ちながら、より明るく見やすいファインダー、信頼性の高いデュアルSDカードスロット、そしてプロレベルの動画機能であるN-RAW内部記録を、Zfよりも低い価格で提供しています。純粋な性能、機能性、そして投資対効果を論理的に判断するならば、Z5iiが卓越した選択肢であることは間違いありません。

スペック比較表

仕様項目Nikon ZfNikon Z5ii
イメージング
センサー2450万画素 フルサイズ BSI CMOS2450万画素 フルサイズ BSI CMOS
画像処理エンジンEXPEED 7EXPEED 7
ISO感度(静止画)常用: 100-64000常用: 100-64000
手ブレ補正最大8.0段最大7.5段
オートフォーカス
AFシステムハイブリッドAF(9種被写体検出)ハイブリッドAF(9種被写体検出)
低輝度AF性能-10EV-10EV
パフォーマンス
連写速度(メカ)約11コマ/秒 (RAW)約11コマ/秒 (RAW)
連写速度(電子)約30コマ/秒 (JPEG)約30コマ/秒 (JPEG)
動画
最大解像度4K UHD 60p (DXクロップ)4K UHD 60p (DXクロップ)
内部記録コーデックH.265 (10bit), H.264 (8bit)N-RAW (12bit), H.265 (10bit), H.264 (8bit)
ハードウェア
ファインダー輝度非公開最大3,000cd/m²
ストレージSD (UHS-II) + microSD (UHS-I)SD (UHS-II) x 2
グリップフラットデザインディープグリップ
質量(バッテリー込)約710g約700g

用途で選ぶNikon ZfとZ5iiの比較

これまでの分析を踏まえ、Nikon ZfとZ5ii、それぞれがどのようなユーザーに最適なのかを具体的にまとめます。あなたの撮影スタイルや目的に最も合致する一台を見極めるための最終チェックとしてご活用ください。

  • 撮影のプロセス自体を深く楽しみたいならZf
  • 効率と結果を重視する実用性を求めるならZ5ii
  • Zfはクラシックなデザインと所有する喜びが魅力
  • Z5iiは深いグリップによる抜群のホールド性が強み
  • 静止画の基本画質は両機で全く同等
  • AF性能や連写速度も基本的に同じ性能を持つ
  • 本格的な動画制作やカラーグレーディングを行うならZ5iiが最適
  • Z5iiはプロ品質のN-RAW動画を内部記録できる
  • 晴天の屋外で頻繁に撮影するならZ5iiの明るいEVFが有利
  • ZfのカードスロットはmicroSD採用で利便性にやや欠ける
  • Z5iiはデュアルSDスロットでデータのバックアップも万全
  • Zfは小型単焦点レンズと組み合わせるとデザイン性が際立つ
  • Z5iiは大型の望遠レンズも安定して快適に使える
  • 純粋なコストパフォーマンスを重視するならZ5ii
  • スタイルと趣味性を最優先するならZfが唯一無二の選択肢
よかったらシェアしてね!
目次